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「何もスキルがない」は思い込みです ― 元アイドルの強みの見つけ方

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年/キャリアコンサルタント(国家資格)) /
「何もスキルがない」は思い込みです ― 元アイドルの強みの見つけ方|ツギステ

「アイドルしかやってこなかった自分には、何のスキルもない」
「特別な資格も、職歴もない。私なんかが働けるんだろうか」

卒業や引退を考えるとき、多くの方がこの不安の前で立ち止まります。私自身もそうでした。先にお伝えしたいのは、その「何もない」は、事実ではなく思い込みであることが多い、ということです。この記事では、なぜ「スキルがない」と感じてしまうのか、そしてアイドル経験がどんな力に翻訳できるのかを、具体例つきで整理します。書いているのは、約9年アイドルとして活動して卒業し、いまはキャリアコンサルタント(国家資格)として同じ道を歩む方をサポートしている私、桜のどかです。

元アイドルには、本当に「スキル」がないのでしょうか

いいえ。「スキルがない」のではなく、「自分の力が社会でどう活きるかを、まだ知らない」だけです。

私たちが支援のなかで使っている適性検査の初期データ(初期の集計・n=100・サンプル限定)を見ると、就職まで進めた方と、なかなか動き出せなかった方とで、能力(学力に相当する指標)に意味のある差は見られませんでした。どちらもおおむね平均50前後で、そこに大きな開きはなかったのです。

差が出ていたのは、能力の量ではありませんでした。移行期の心理状態、つまり「気持ちが安定しているか」「自分で決めていけると感じられているか」といった部分でした。言い換えると、「能力がないから動けない」のではなく、「自分には力がないと思い込んでいるから動けない」ことのほうが、ずっと多いのです。ここは能力の問題ではないので、まず安心していただきたい部分です。

なぜ「自分には何もない」と感じてしまうのでしょうか

ステージ衣装のまま、これからの進路を思って立ち止まる元アイドルの女性
真剣に打ち込んできた人ほど、自分の「得意」が自分では見えなくなっていきます。

それは、あなたの能力が低いからではなく、これまでいた環境が「自分の力を測る物差し」を持ちにくい場所だったからです。

アイドルの活動は、評価の多くが他者からの反応で決まる世界です。長くその中にいると、自分の「好き」や「得意」が自分でも見えにくくなっていきます。これは、真剣に打ち込んできた人ほど起きやすいことで、決して珍しいことではありません。

私自身、現役の頃をふり返ると、「自分がどれくらいの価値で働けているのか、誰も教えてくれない」という感覚のなかにいました。仕事を選ぶのも、断るのも、対価を決めるのも自分。それなのに、基準になる物差しがどこにもない。だから「自分には何もない」と感じてしまうのは、当然のことだったのだと、今は思います。

もうひとつ、当時の私に足りなかったのは、能力ではなく「知ること」でした。アイドル以外の道を、知らなかった。自分にそれができるとも思えていなかった。だから前に進もうと思えなかっただけなのです。不安の正体は、力のなさではなく、選択肢を知らないことのほうにありました。

だから、最初の一歩は「もっとスキルを身につけること」ではありません。すでに自分の中にある経験を、社会に伝わる言葉に置き換えていくこと。ここから始められます。

アイドル経験は、どんな力に「翻訳」できるのでしょうか

活動のなかで自然に身につけた力は、そのまま仕事のスキルに翻訳できます。「特別なことは何もしていない」と感じる毎日の中に、実は評価される力が隠れています。代表的なものを、翻訳表にまとめました。

アイドル時代の『当たり前』を、仕事で評価される力に翻訳する対応表

大切なのは、嘘や誇張を足すことではありません。上の表のように、実際にやってきたことを、企業が読み取れる言葉に置き換えるだけです。同じ経験でも、伝え方ひとつで受け取られ方は大きく変わります。

自分ひとりで言葉にするのが難しければ、経験を職務経歴書の文章に変換する無料ツールから試してみるのもおすすめです。

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「スキルがない」という思い込みは、どうやって解けていくのでしょうか

多くの場合、それは「自分の思っていた枠の外」に、向いている仕事が見つかったときに解けていきます。

「事務くらいしかできないと思っていた」という方が、話すうちに「人と話せることは、すごく武器なんですよ」という一言をきっかけに、営業職で活躍していったことがあります。「アイドルには社会人経験がないから」と自信をなくしていた方が、その経験を評価する会社と出会い、収入も活動時代とほとんど変わらないまま新しい仕事に就いた、ということもありました。

『スキルがない』という思い込みと、実際はこうだったという気づきのビフォーアフター

こうした変化は、その人が急に成長したから起きたのではありません。もともと持っていた力に、正しい名前と居場所が見つかっただけなのです。「私なんて」と思っていた枠は、たいてい実際よりずっと小さく設定されています。その枠を、少しずつ一緒にほどいていく。それが、思い込みが解けていく道すじです。

ひとりで自分の強みを見つけるのは、難しいものです

自分の経験を自分で棚卸しするのは、実はいちばん難しいことです。近すぎて、何が強みなのかが見えなくなるからです。だからこそ、一緒に見つけていくところから始められます。

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実際にどんな仕事に進んだのかは、先輩たちのインタビューが参考になります。

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最後に

「何もスキルがない」と感じているとき、足りていないのは能力ではなく、自分の経験を映してくれる物差しなのだと、私は思います。あなたが積み重ねてきた時間は、ちゃんと次の場所につながる力になります。ひとりで「私なんて」と抱え込まず、まずは自分の中にあるものを言葉にするところから、一緒に始めていけたら嬉しいです。

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この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

監修・執筆

桜のどか(さくら のどか)
株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格)
アイドルとして約9年活動し、卒業。俳優としての活動を経て、現在は元アイドルの就職・転職サポートを担当しています。わたし自身、ステージを降りたあとに同じことで迷いました。だからこの記事は、正論ではなく「その時ほしかった言葉」で書いています。
note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

株式会社ツギステ
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