事務所を辞めさせてもらえないとき、知っておきたいこと ― 無料の相談窓口

「辞めたいと伝えても、話が進まない」
「契約のことがよく分からないまま、身動きが取れない」
「相談したいけれど、どこに話せばいいのか分からない」
事務所に辞めたいと伝えても話が進まないとき、どうすればいいのか、どこに相談すればいいのか、迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、辞めさせてもらえないと感じたときに自分でできる準備と、無料で相談できる窓口を、順番に解説します。
なお、この記事では、法律上の判断はお伝えしていません。契約や辞め方の具体的な結論は、契約の内容や状況によって変わるため、記事の後半で紹介する専門の窓口にご相談ください。

事務所が辞めさせてくれないとき、まず何をすればいいですか?
まずは、状況を記録することと、一人で交渉しないことです。そのうえで、無料の窓口に相談します。事実を整理しておくと、そのあと誰に相談しても、話が早く進みます。
「辞めたい」と伝えたのに話が進まない、返事をもらえない、条件を示されて迷っているなど、状況はさまざまだと思います。どの場合も、その場ですぐに結論を出す必要はありません。事務所との関係は人によって事情が違い、良い関係を築いている事務所もたくさんあります。今の状況がよくある引き止めなのか、一人で抱えるべきではない段階なのかは、第三者に話して整理すると判断しやすくなります。

「辞めたい」と伝えて引き止められるのは、よくあることですか?
はい、引き止められること自体は、珍しいことではありません。ただ、引き止めと、度を越えた拘束は、分けて考えてください。
一緒に活動してきた事務所が、辞めるという話に戸惑ったり、続けてほしいと伝えてきたりするのは、自然なことでもあります。一方で、話し合いにまったく応じてもらえない状態や、心身に負担がかかるほどの拘束が長く続いている場合は、一人で我慢し続ける問題ではありません。どちらが悪いと決めつける必要はありません。今の状況が自分にとって重すぎないかを基準に、相談するかどうかを考えてください。

私自身の話をすると、活動していた頃は「自分で決める」という機会そのものが、あまり多くありませんでした。SNSの投稿ひとつにも確認が必要で、「こうしたい」という気持ちが通らないこともよくありました。これは誰かが悪いというより、あの環境ではそうなりやすい、という面が大きかったのだと、今は思います。だからこそ、自分の進退のような大きなことを一人で決めて交渉するのは、とても難しいことです。外の窓口に話してみるのは、弱さでも裏切りでもありません。
契約の途中で辞めることは、できますか?
契約の内容や状況によって変わるため、この記事で「辞められる」「辞められない」と言い切ることはできません。

芸能・タレントの契約は、業務委託に近い形が多く、雇用契約とは仕組みが違います。契約書に何が書かれているかで、できることも進め方も変わります。なお、芸能分野のタレント契約については、公正取引委員会が契約の適正化に関する考え方を示しています。契約が一方的な内容にならないよう、社会的にも整理が進んでいます。
大切なのは、「事務所が出した書類だから、そういうものなんだ」と一人で結論づけないことです。契約書やその控えは、専門家と一緒に確認すると、自分では気づかなかった点が分かることがよくあります。働き方や契約の基礎を先に知っておきたい方は、こちらのガイドもご覧ください。
相談する前に、自分でできる準備はありますか?
はい、あります。状況を、日付とともに時系列でメモに残しておくことです。どの窓口に相談する場合でも、専門家に状況が伝わりやすくなります。

思い出せる範囲で構いません。次のようなことを書き留めてください。
- 契約書の控えがあるかどうか(手元にある/もらえていない、のどちらか)
- いつ・誰に・何を言われたか(辞めたいと伝えた日、その返答など)
- やり取りの記録(メッセージやメールは、消さずに残しておく)
- 心身の不調があれば、その記録(通院している場合は、診断書があると状況が伝わりやすい)
どこに相談すればいいですか?(無料で使える窓口)
状況によって、合う窓口が変わります。契約や退所のこと、アイドルの契約に詳しい団体、未成年の場合、弁護士費用が心配な場合に分けて紹介します。
契約・退所・過重な指示のことなら
フリーランス・トラブル110番
0120-532-110
受付:平日9:30〜16:30(土日祝を除く)。弁護士に無料で相談でき、匿名でも相談できます。
厚生労働省の委託事業で、第二東京弁護士会が運営しています。フリーランスや個人事業主として働く人の、契約や報酬などのトラブルを扱っている窓口です。事務所と業務委託の形で契約している場合の、契約や退所の相談に向いています。
アイドルの契約について、より専門的に知りたいなら
日本エンターテイナーライツ協会(ERA)
era-japan.org
アイドルなどエンターテイナーの権利を扱う団体です。常設の無料ホットラインはなく、ウェブサイトの問い合わせを通じての相談になります。

未成年で、親とも意見が合わないなら
子どもの人権110番(法務省)
0120-007-110(平日8:30〜17:15)
未成年の方が一人で弁護士に依頼するのは、手続きの面で難しいことが多くあります。未成年は、一人で契約や依頼をしにくいためです。先に、子ども本人の側に立って話を聞いてくれる公的な窓口に相談してください。
どの窓口も、相談したからといって、すぐに何かが決まるわけではありません。窓口は、今の状況を話して、次にどうするかを一緒に考える場所です。
弁護士に相談するお金がないときは、どうすればいいですか?
法テラス(日本司法支援センター)に相談してください。

収入や資産が一定の基準以下であれば、同じ問題について3回まで、無料で法律相談を受けられます。弁護士費用を立て替えてもらえる制度もあり、立て替えてもらった費用は、無利息で分割して返します。まずは、上で紹介した窓口や法テラスに、費用のことも含めて聞いてみてください。
何から話せばいいか分からないときは、どこに相談すればいいですか?
ツギステの無料窓口「アイドルトラブル解決サポート」にご相談ください。公的な窓口にいきなり電話するのは、ハードルが高いと感じる方もいると思います。

この窓口では、元アイドルの私が、活動中のトラブルや事務所との関係のお悩みを、無料でお聞きしています。お聞きしたうえで、必要に応じて弁護士や専門家におつなぎします。何から話せばいいか分からない段階でも、状況を言葉にするところから一緒に整理しますので、お気軽にご相談ください。
→ 事務所とのお悩みを、まず話してみる(無料・匿名でも大丈夫)
最後に
事務所を辞めさせてもらえないと感じているとき、いちばんつらいのは、一人でどうしていいか分からない状態そのものだと思います。状況を記録して、外の窓口に話してみると、次にできることが少しずつ見えてくることがあります。どちらが悪いかを決める前に、まずは安心して話せる相手に、自分の状況を話してみてください。
活動を辞めたあとの就職やキャリアのご相談は、下の公式LINEからお気軽にどうぞ。無料で、辞めると決めていない段階でも相談できます。
監修・執筆

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