業務委託と正社員は何が違う? ― アイドル契約から会社員になる人へ

「アイドルの頃は業務委託だったけど、会社員になると何が変わるんだろう」
「保険や税金のことは、よく分からないまま活動していた」
就職を考えはじめると、働き方の仕組みが分からず、不安になってしまう方も多いと思います。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、業務委託から会社員(正社員)になると、保険・税金・休み・守られ方がどう変わるのかを、順番に解説します。

アイドルの契約と会社員では、働き方がどう違うのでしょうか
いちばん大きな違いは、「業務委託」で働くか、会社に「雇用」されて働くかです。
多くのアイドルは、事務所と業務委託(またはそれに近い)契約を結んでいます。業務委託は、自分が一人の事業主として、事務所から仕事を請け負う形です。一方、会社員(正社員)は、会社に雇われて働きます。雇われて働くようになると、保険・税金・休み・守られ方が、まとめて変わります。
アイドルの活動は業務委託に近い契約が多く、会社員の仕組みに触れる機会はほとんどありません。知らないまま活動してきたのは、当たり前のことです。
私自身も、活動していた頃は、税金のことが本当に分かっていませんでした。事務所で税理士さんの話を聞く会があり、そこで初めて「確定申告」を知りました。

会社員になると、何が変わりますか
働き方の形・健康保険・年金・税金の手続き・休みと働く時間・守られ方の6つが変わります。
まとめると、会社員は、保険や税金の手続きの多くを会社がする代わりに、決められた時間や場所で働きます。業務委託は、働く時間や場所を自分で決めやすい代わりに、保険や税金の手続きを自分でします。
保険は、どう変わりますか
会社員になると、勤め先の健康保険と厚生年金に入り、保険料は会社と半分ずつ負担します。加入の手続きは、会社がします。
健康保険は、業務委託のときは、国民健康保険の保険料を自分で払うのが基本でした。会社員になると、勤め先の健康保険に入り、保険料は給与から天引きされます。医療費が3割負担で済むことや、医療費が高額になったときに上限を超えた分が戻る「高額療養費」、出産したときの「出産育児一時金」は、業務委託でも会社員でも受けられます。

年金は、業務委託のときの国民年金から、会社員は厚生年金に変わります。年金には、老後の年金のほかに、病気やケガで働けなくなったときの「障害年金」と、亡くなったときに家族に支払われる「遺族年金」があります。保険料を払うのが難しい時期には、免除や猶予の制度があります。手続きをしないまま保険料を払わずにいると、これらを受け取れないことがあります。
保険料がいくらになるか、いつから切り替わるかは、人によって違います。会社の健康保険への加入は会社が手続きをしますが、国民健康保険をやめる手続きは、ご自身でお住まいの市区町村の窓口でしてください。
税金は、何が変わりますか
業務委託のときは自分で確定申告をし、会社員になると、会社が年末調整をします。

業務委託で受け取るお金は、税金のうえでは事業所得として扱われるため、原則として自分で確定申告をします。一方、会社員は、毎月の給与から所得税が天引きされ、年末に、会社が年末調整で1年分の税金を精算します。
収入を少なく申告しても、得にはなりません。きちんと申告して納税した記録は、そのまま自分の「信用」になります。所得をほとんどゼロのように申告していると、引っ越しのときの入居審査、クレジットカードの作成、将来の住宅ローンなどで不利になることがあります。
青色申告にするかどうかや、使える控除については、税務署や税理士に相談してください。
休みや働く時間、守られ方はどう違いますか
会社員は、労働基準法などの法律で守られています。

会社員には、最低賃金、決められた労働時間、残業のルール、有給休暇、簡単には解雇されない決まり(解雇のルール)などがあります。一方、業務委託には、労働基準法の多くが当てはまりません。報酬も休みも、辞めるときの条件も、契約書に書かれた内容で決まります。そのため、業務委託では、契約書がとても大事になります。
正社員のほうが「上」なのでしょうか
いいえ、どちらが上ということはありません。
業務委託には、働く時間や一緒に働く相手を自分で選べる自由や、頑張り次第で収入を伸ばせる面白さがあります。会社員には、毎月決まった収入と、健康保険・厚生年金があります。

いまの自分に必要なのが、毎月の決まった収入なのか、働き方を自分で決められることなのかを考えて、選んでください。私がサポートしている方を見ていると、卒業してすぐの時期は、まず生活を整えるために、会社員として働く方が合いやすいと感じます。会社員として働いて身につけたことは、将来、独立や別の仕事に挑戦するときにも役に立つと考えています。
会社の契約書とは、どう向き合えばいいですか
入社前に届く労働条件通知書や雇用契約書は、サインする前に、必ず中身を確認してください。
確認するときのコツは、次の3つです。
- その場で決めない:書類は持ち帰って、落ち着いて確認してかまいません。
- 中身を確かめる:雇用形態・給与・休み・試用期間・辞めるときの条件などを確認します。分からないところは、家族や、ツギステのアドバイザーに聞いてかまいません。
- やり取りを記録する:条件について会社とやり取りした内容は、メールやメモで残しておきます。

契約の中身や働く条件で困ったことがあったら、一人で抱えないでください。労働条件のことは、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署の中にある「総合労働相談コーナー」に相談できます。予約は不要で、無料です。保険や年金の手続きは社会保険労務士(社労士)に、会社との争いになりそうなときは弁護士に相談できます。弁護士費用が心配なときは、法テラスに相談できます。
働き方や契約の基礎は、ツギステの「アイドルのための働き方・契約のいろは」にもまとめています。
ツギステに相談すると、何をしてもらえますか
どんな働き方が合うかを一緒に考えるところから、書類づくり、面接の準備、入社後のフォローまで、アドバイザーがサポートします。

費用は最初から最後まで無料です。採用した企業側が紹介料を支払う仕組み(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539)だからです。これまでに100名以上の方から相談をいただき、連携企業のネットワークは200社以上になりました。面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。最終的にどうするかを決めるのは、ご本人です。私たちは見立てを正直にお伝えしますが、代わりに決めることはありません。
最後に
業務委託と正社員の違いは、一度知ってしまえば、それほど難しいものではありません。どんな働き方が合うか分からない段階でも、アドバイザーが一緒に整理しますので、お気軽にご相談ください。
働き方と就職の相談(無料)
活動中の契約のことや、事務所との関係で困っているときは、こちらの無料窓口にご相談ください。
監修・執筆

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株式会社ツギステ
アイドル・表現者経験者に特化した就職・転職支援サービスを運営しています(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539/設立 2023年1月)。相談から書類作成・面接対策・入社後のフォローまで、求職者の方は無料で利用できます。
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