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業務委託と正社員は何が違う? ― アイドル契約から会社員になる人へ

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年/キャリアコンサルタント(国家資格)) /
業務委託と正社員は何が違う? ― アイドル契約から会社員になる人へ|ツギステ

「アイドルの頃は“業務委託”だったけど、会社員になると何が変わるんだろう」「保険とか税金とか、正直よく分からないまま活動していた」。次の一歩として就職を考えたとき、働き方の仕組みそのものに不安を感じる方は、とても多いです。

この記事では、多くのアイドルが結んでいる業務委託と、会社員(正社員)の働き方が、「保険・税金・休み・守られ方」の面でどう違うのかを、できるだけやさしく整理します。どちらが上で、どちらが下、という話ではありません。書いているのは、約9年アイドルとして活動して卒業し、いまはキャリアコンサルタント(国家資格)として同じ道を歩む方をサポートしている私、桜のどかです。

そもそも、アイドルの契約と会社員では、働き方の“形”がどう違うのでしょうか

いちばんの土台は、「業務委託」と「雇用」の違いです。

多くのアイドルは、事務所と業務委託(またはそれに近い)契約を結んでいます。これは、会社に“雇われる”のではなく、自分が一人の事業主として仕事を請け負う形です。一方、会社員(正社員)は、会社に雇用されて働く形。この“雇われるかどうか”が変わると、そのうしろにある保険・税金・休み・守られ方まで、まとめて変わってきます。

芸能やスポーツの世界は業務委託に近い契約が多く、この違いに触れる機会が少ないまま来た方がほとんどです。知らなかったのは、あなたが不勉強だからではありません。触れる場面が構造的に少なかった、それだけのことです。

私自身も、活動していた頃は税金のことが本当に分かっていませんでした。事務所で税理士さんの話を聞く会ができて、そこで初めて「確定申告」というものを知ったくらいです。だから、分からなくて当たり前だと思っています。

机で書類を挟んで担当者と向き合い、契約や働き方について相談する様子
分からなくて当たり前。一つずつ、一緒に整理していけば大丈夫です。

図解で見ると、どこがどう変わるのでしょうか

大きく変わるのは、「働き方の形・健康保険・年金・税金の手続き・休みと働く時間・守られ方」の6つです。言葉だけだと難しいので、並べて見てみましょう。

業務委託(アイドル契約に多い形)と正社員(会社員)の比較表。働き方の形=業務委託は自分が事業主として請け負う/正社員は会社に雇われる。健康保険=業務委託は国民健康保険を自分で払う/正社員は勤め先の健康保険で会社と折半(給与天引き)。年金=業務委託は国民年金/正社員は厚生年金(会社と折半)。税金=業務委託は事業所得を自分で確定申告/正社員は給与天引き+年末調整。休み・働く時間=業務委託は契約しだい/正社員は労働時間のルール・有給休暇。守られ方=業務委託は契約書しだい/正社員は最低賃金・解雇のルールなど労働基準法に守られる。どちらが上ではなく形が違う

こうして並べると、正社員は「会社がいろいろやってくれる代わりに、決められた形の中で働く」、業務委託は「自由がある代わりに、自分でやることが多い」という違いが見えてきます。ここから、特に気になりやすい「保険・税金・守られ方」を、もう少しだけ丁寧に見ていきます。

会社員になると変わる4つのことの図解。保険=国民健康保険・国民年金を自分で払う→健康保険・厚生年金を会社と折半(天引き)。税金=報酬を自分で確定申告→給与天引き+会社の年末調整でおまかせ。休み・時間=休みも働く時間も契約しだい→労働時間のルール・有給休暇がある。守られ方=自分で守る部分が多い→最低賃金・解雇のルールなど労働法に守られる

保険は、どう変わりますか

会社員になると、健康保険と年金を「会社と半分ずつ」負担する形になり、手続きの多くを会社がやってくれます。

健康保険は、業務委託(フリー)のときは国民健康保険を自分で払うのが基本でした。会社員になると、勤め先の健康保険に入り、保険料は会社と折半、給与から天引きされます。医療費が3割負担で済むこと、医療費が高額になったときに自己負担の上限を超えた分が戻る「高額療養費」、出産時の「出産育児一時金」など、いざというときの安心は、どちらの立場でも受けられる大切な仕組みです。

年金は、業務委託のときの国民年金から、会社員は厚生年金に変わります(こちらも会社と折半)。年金というと「老後のためのもの」と思われがちですが、実は、病気やケガで働けなくなったときの「障害年金」、亡くなったときに家族を支える「遺族年金」という保障も含まれています。もし保険料を払うのが難しい時期があっても、免除や猶予の制度があります。「どうせもらえない」と放っておくより、制度があることを知っておくだけで、いざというとき自分を守れます。

ここで大切なのは、自分のケースで保険料が具体的にいくらになるか、いつから切り替わるかは、お住まいの市区町村の窓口や勤め先の担当に確認するのがいちばん確実、ということです。この記事は「全体像を知る」ための入口として読んでください。

税金は、何が変わりますか

業務委託は「自分で確定申告」、会社員は「会社の年末調整」が基本、というのが大きな違いです。

業務委託で受け取る報酬は、税金の世界では「給料」ではなく「報酬(事業所得)」として扱われ、原則として自分で確定申告をする必要があります。一方、会社員になると、毎月の給与から税金が天引きされ、年末に会社が「年末調整」でまとめて精算してくれます。手続きの負担は、会社員のほうがぐっと軽くなります。

ひとつ、知っておいてほしいことがあります。「収入を少なく見せたほうが得」ではない、ということです。きちんと申告して納税した記録は、そのまま自分の「信用」になります。所得をほとんどゼロのように申告していると、引っ越しのときの入居審査、クレジットカードの作成、将来の住宅ローンなどで不利になることがあります。正しく申告しておくことが、あとで自分の選択肢を広げてくれます。

なお、青色申告にしたほうがいいか、源泉徴収の要否、使える控除といった個別の判断は、必ず税務署や税理士に相談してください。この記事は一般的な入口で、個別の税務アドバイスではありません。

休みや働く時間、そして“守られ方”はどう違いますか

いちばん実感しやすい違いは、会社員には「労働基準法」という法律のうしろ盾がある、という点かもしれません。

会社員は、最低賃金、決められた労働時間、残業のルール、有給休暇、そして簡単には解雇できない決まり(解雇のルール)など、労働法によって守られています。一方、業務委託は、基本的に「契約の中身しだい」です。労働基準法の多くはそのままは当てはまらないことが多く、報酬も、休みも、辞めるときの条件も、契約書に書かれた内容で決まります。だからこそ、業務委託では契約書がとても大事になります。

言いかえると、会社員は自由が少し減る代わりに守りが厚く、業務委託は自由がある代わりに自分で守る部分が多い。どちらが良い・悪いではなく、「守られ方の形」が違う、と捉えてもらうのが近いと思います。

では、正社員のほうが「上」なのでしょうか

いいえ、どちらが上、ということはありません。

業務委託(フリー)には、働く時間や一緒に働く相手を自分で選べる自由や、頑張り次第で収入を伸ばせる面白さがあります。会社員には、毎月決まった収入と社会保険という「安定した足場」があります。それぞれに良さがあって、優劣ではありません。

大事なのは、いまの自分に必要なのが「安定した足場」なのか、「自由と裁量」なのか、を見きわめることです。私がサポートしている方を見ていても、卒業してすぐの時期は、まず生活の土台を整えるために会社員という足場が合いやすい、と感じます。そしてそれは“後退”ではありません。会社員として社会の基本を身につけておくことは、将来もし独立や別の挑戦をするときにも、しっかり効いてくる基礎になります。会社員になることは、自由を手放すことではないのです。

会社の契約書とは、どう向き合えばいいですか

いちばんの結論から言うと、契約書は必ず一緒に確認してください。「会社が出した書類だから大丈夫」と、そのままサインしてしまわないことが大切です。

これは会社を疑うという意味ではなく、自分の働き方を自分で理解しておく、というだけのことです。3つだけコツがあります。

契約書と向き合う3つのコツと困ったときの相談先の図解。コツ1=その場で即決しない(持ち帰って落ち着いて読む)。コツ2=中身を一緒に読む(雇用形態・給与・休み・試用期間・辞めるときの条件を確認)。コツ3=やり取りを記録する。困ったら=手続きは社会保険労務士、契約の精査やトラブルは労働基準監督署・弁護士、費用の壁は法テラスへ

ひとつ、その場で即決しないこと。持ち帰って落ち着いて読んで大丈夫です。ふたつ、中身を一緒に読むこと(雇用形態・給与・休み・試用期間・辞めるときの条件などを確認)。みっつ、やり取りを記録しておくこと。そして、もし分からないことや困ったことが出てきたら、一人で抱えないでください。保険や年金の切り替えなどの手続きは社会保険労務士(社労士)、契約の中身の精査や、明らかにおかしいと感じるトラブルは労働基準監督署や弁護士、そして費用の壁があるときは法テラス、というように、頼れる窓口があります。

働き方や契約の基礎をもっと知っておきたい方は、ツギステが用意している「アイドルのための働き方・契約のいろは」も、あわせて参考になさってください。

アイドルのための働き方・契約のいろは(ツギステ)

就職を考えるとき、相談するとどうしてくれるのでしょうか

保険や税金の切り替えそのものは、社労士や税理士といった専門家の領域です。でも、「自分にはどんな働き方が合うのか」を一緒に考えるところから、就職の準備までは、私たちが伴走できます。

ツギステの支援フロー5ステップ:カウンセリング→強みの翻訳→書類作成→面接対策→就職後も伴走(相談から就職後まで無料)
  1. カウンセリング ― いまの状況とお気持ちを伺います(辞めると決めていなくても、現役でも、やりたいことが決まっていなくてもOK)
  2. 強みの翻訳 ― 適性検査と対話で、これまでの経験を仕事の言葉に置き換えます
  3. 書類作成のサポート ― 履歴書・プロフィール表・職務経歴書を一緒に整えます
  4. 面接のサポート ― 面接練習と対策を一緒に進めます
  5. 就職後も ― 送り出して終わりにはしません。入社後6か月まで並走します

この流れのすべてが、最初から最後まで無料です。求職者ではなく、採用した企業側が紹介料を支払う仕組み(有料職業紹介 許可番号 13-ユ-315539)だからです。これまでに相談者は100名以上、連携企業ネットワークは200社以上に広がり、面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。もちろん、最終的にどうするかを決めるのは、いつもあなた自身です。私たちは見立てを正直にお伝えしますが、あなたの代わりに決めることはありません。

「そもそも、自分のアイドル経験を履歴書にどう書けばいいんだろう」と気になった方は、こちらの記事もどうぞ。

アイドル経験は履歴書に書ける?職歴の書き方(関連記事)

実際にどんな方が、どんな会社に進んだのかは、先輩たちのインタビューが参考になります。

先輩たちの就職インタビューを読む(ツギステ)

最後に

業務委託と正社員の違いは、一度知ってしまえば、そんなに難しいものではありません。むしろ、知らないまま「なんとなく不安」でいるより、違いが分かってから自分に合うほうを選べたほうが、ずっと安心して次の一歩を踏み出せます。

私自身、活動していた頃は分からないことだらけでした。だからこそ、同じように「よく分からないまま来てしまった」という方の隣で、一緒に一つずつ整理していけたらと思っています。焦らなくて大丈夫です。まずは、いまの自分に何が合いそうか、話してみるところから始めましょう。

→ どんな働き方が自分に合うか、一緒に整理してみませんか(無料相談)

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この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

監修・執筆

桜のどか(さくら のどか)
株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格)
アイドルとして約9年活動し、卒業。俳優としての活動を経て、現在は元アイドルの就職・転職サポートを担当しています。わたし自身、ステージを降りたあとに同じことで迷いました。だからこの記事は、正論ではなく「その時ほしかった言葉」で書いています。
note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

株式会社ツギステ
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