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やりたいことが分からないまま就活を始めていい ― 元アイドルの就活の始め方

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年/キャリアコンサルタント(国家資格)) /
やりたいことが分からないまま就活を始めていい ― 元アイドルの就活の始め方|ツギステ

「やりたいことが、自分でもよく分からない」
「就活を始めたいけれど、目標もないのに動いていいのかな」

卒業や引退のあとで、多くの方がこの入口で立ち止まります。私自身も、活動を終えたとき、まさにその状態でした。先にお伝えしたいのは、やりたいことは、動き出す前に決めておかなくて大丈夫だということです。むしろ「分からない」まま始めた人のほうが、思いがけない場所で自分に合う仕事に出会っています。この記事では、なぜ「やりたいことが分からない」と感じるのか、そして目標がなくても始められる就活の進め方を、順番に整理します。書いているのは、約9年アイドルとして活動して卒業し、いまはキャリアコンサルタント(国家資格)として同じ道を歩む方をサポートしている私、桜のどかです。

やりたいことが分からないまま、就活を始めてもいいのでしょうか

はい、大丈夫です。むしろ「やりたいことが分からない」は、就活のスタート地点としてまったく普通の状態です。

「やりたいことを明確にしてから動くべき」という空気があるので、目標が言えない自分を責めてしまう方は少なくありません。でも、最初から進みたい道がくっきり見えている人のほうが、実は多くありません。特にアイドルとして活動してきた方は、これまで「自分の好き・得意」を落ち着いて考える機会そのものが少なかったはずです。だから今その答えを持っていないのは、当たり前のことなのです。

大切なのは、「やりたいこと」という完成した答えを探すことではありません。それは動きながら、少しずつ形になっていくものです。まずは「分からない」を出発点にして構いません。

どうして「やりたいことが分からない」と感じるのでしょうか

それは、あなたに問題があるからではなく、これまでいた場所が「自分の好き・得意」を測りにくい環境だったからです。

アイドルの活動は、評価の多くが他者からの反応で決まる世界です。長くその中にいると、人からどう見られるかには敏感になる一方で、自分が本当は何をしたいのかは、だんだん見えにくくなっていきます。これは、真剣に打ち込んできた人ほど起きやすいことです。

私自身をふり返ると、卒業するとき、新しい道への楽しみが半分、「アイドル以外で食べていけるのか」という諦めが半分、という感じでした。でも今思うと、足りなかったのは能力ではなく、「知ること」だったんです。アイドル以外にどんな道があるのかを知らなかったし、自分にそれができるとも思えていなかった。だから前に進もうと思えなかっただけでした。不安の正体は、力のなさではなく、選択肢を知らないことのほうにありました。

「やりたいことが分からない」の多くは、この「選択肢をまだ知らない」状態です。だとすれば、まずやることは、無理に目標をひねり出すことではなく、どんな道があるのかを一つずつ知っていくことになります。

「やりたいこと」は、動く前に決めなければいけないのでしょうか

いいえ。順番は、むしろ逆で大丈夫です。やりたいことは、動きながら見つかっていきます。

「やりたいことを決める → 自己分析する → それから就活を始める」。この順番で進めようとすると、最初の一歩で答えが出ずに止まってしまいがちです。決めるための材料をまだ持っていないのですから、止まって当然なのです。

就活の順番は逆でいい。「やりたいことを決めてから動く」と止まってしまうが、「動きながら見えてくる」順番なら前に進める、という対比図

うまくいきやすいのは、順番を入れ替えることです。まず今の気持ちを言葉にしてみる。次に、どんな仕事があるのかを知る。そのうえで、合いそうなものを小さく試してみる。そうしているうちに、「これは向いていそう」「これは違うかも」という感覚が育ってきて、やりたいことが少しずつ見えてきます。分からないまま動き出すのは、遠回りではなく、いちばん自然な進み方です。

そもそも、アイドルの後にはどんな道があるのでしょうか

大きく分けると5つあります。どれも対等な選択肢で、今すぐどれかを選ぶ必要はありません。

「どんな道があるのか」を知らないままでは、やりたいことの決めようがありません。まずは全体像を眺めてみてください。

アイドルの後にある5つの進路:指導者・講師/進学・学び直し/起業・フリーランス/一般企業へ就職/これらの組み合わせ
  • 指導者・講師 ― 慣れた世界に居られる安心感があります。一方で指導のポストは空きにくく、自分が教わる側に回れるかも問われます。
  • 進学・学び直し ― 簿記や医療事務などは働きながらでも学べます。ただ「資格を取ること」が目的になりやすいので、その先の出口を先に描くのがおすすめです。
  • 起業・フリーランス ― やり抜く力や発信力が活きます。会計・契約・請求といったお金の流れを自分で説明できるかが分かれ目になります。
  • 一般企業へ就職 ― 給与を受け取りながら、ビジネスの基本を実地で学べます。生活の足場が整うと、落ち着いて「本当はどうしたいか」を考えられるようになります。
  • これらの組み合わせ ― 就職しながら学び直す、働きながら発信を続けるなど。一本道で完結しないのが、むしろ普通です。

どの道も、後から選び直せます。「一度選んだら戻れない」ものではないので、今は「こんな道があるんだ」と知っておくだけで十分です。

では、何から始めればいいのでしょうか

順番はシンプルです。①今の気持ちを言葉にする、②どんな仕事があるかを知る、③合いそうなものを小さく試す。この3つを、この順で進めていきます。

まず、①今の気持ちを言葉にする。「何がやりたいか」ではなく、「何が不安か」「どういう働き方だと安心できそうか」からで構いません。ここが、自分を知る入口になります。

次に、②どんな仕事があるかを知る。世の中の仕事は、思っているよりずっと種類があります。名前を知らないだけで、向いている仕事は意外なところにあります。どんな職種があるのかを眺めたい方は、職種別の仕事図鑑からのぞいてみてください。

職種別の仕事図鑑を見る(ツギステ)

そして、③合いそうなものを小さく試す。いきなり決め打ちしなくて大丈夫です。「これは向いていそう」と思ったものについて調べたり、話を聞いたりするだけでも、感覚はぐっと具体的になります。

朝の住宅街を、まず一歩だけ歩き出した女性
やりたいことが分からなくても、まず一歩。動き出した先で見えてくるものがあります。

実際、「やりたいこと」を決めずに動き出した先で、自分に合う仕事に出会った方はたくさんいます。「事務くらいしかできないと思っていた」という方が、話すうちに「人と話せることは、すごく武器なんですよ」という一言をきっかけに、営業職で活躍していったことがありました。「アイドルには社会人経験がないから」と自信をなくしていた方が、その経験を評価する会社と出会い、収入も活動時代とほとんど変わらないまま新しい仕事に就いた、ということもありました。どちらも、最初から「これがやりたい」と決めていたわけではありません。動いてみたから、出会えた道です。

自分の経験を言葉にするのが難しければ、経験を職務経歴書の文章に変換する無料ツールから試してみるのもおすすめです。「何もスキルがない」と感じている方は、その思い込みを解くところから読んでみてください。

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「何もスキルがない」は思い込みです(関連記事)

ひとりで「やりたいこと」を探すのは、難しいものです

自分のことは、いちばん近くにあるぶん、自分では見えにくいものです。だからこそ、一緒に探すところから始められます。

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どんな道に進んだのかは、先輩たちのインタビューが参考になります。読んでみると、「やりたいことが分からなかった」ところから始まった話が、たくさんあります。

先輩たちの就職インタビューを読む(ツギステ)

最後に

「やりたいことが分からない」と感じているとき、足りていないのは目標でも能力でもなく、まだ知らない選択肢と、それを一緒に見ていく相手なのだと、私は思います。分からないまま動き出すことは、まったく遠回りではありません。むしろ、それがいちばん自然な始め方です。

ひとりで「私には何もない」と抱え込まず、まずは今の気持ちを言葉にするところから、一緒に始めていけたら嬉しいです。あなたが動き出したその先に、ちゃんと合う場所があると、私は信じています。

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この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

監修・執筆

桜のどか(さくら のどか)
株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格)
アイドルとして約9年活動し、卒業。俳優としての活動を経て、現在は元アイドルの就職・転職サポートを担当しています。わたし自身、ステージを降りたあとに同じことで迷いました。だからこの記事は、正論ではなく「その時ほしかった言葉」で書いています。
note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

株式会社ツギステ
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