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地下アイドルの就職は不利? ― 採用する側が実際に見ているところ

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年) /
地下アイドルの就職は不利? 採用する側が実際に見ているところ|ツギステ

「地下アイドルだったと言ったら、落とされるんじゃないか」
「無名のまま終わったから、書けることが何もない」

就職を考えはじめたとき、地下アイドルとして活動してきたことをどう伝えればいいのか、迷ってしまう方も多いと思います。

でも、その数年間は、隠したり小さく見せたりしなければいけない経歴ではありません。

この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、地下アイドルの経歴は就職で不利になるのか、採用する側は実際にどこを見ているのかを、順番に解説します。

本記事では、活動している方自身がこの言葉で調べることも多いため、「地下アイドル」という語をあえて使用しています。

照明が当たる、人のいないステージのマイクスタンド

地下アイドルの就職は、不利になりますか?

いいえ、地下アイドルだったこと自体が理由で選考に落ちた例を、私は見たことがありません。アイドルとして積み重ねてきた経験は、大切な職歴であり、仕事に生かせるスキルです。

ネットでは「印象が悪いのでは」「お堅い業種はやめたほうがいい」と書かれていることもあり、読むと不安になる気持ちも分かります。ただ、企業とやりとりをしていて多いのは、活動していた期間に何をしてきたのかが応募書類から読み取れず、書類選考で終わってしまう場合です。

就職までには、書類選考と面接があり、そのあとに入社します。このうち、元アイドルの方がつまずきやすいのは、書類選考と面接の2つです。どちらも、経験の書き方と話し方で変えられます。入社してから「元アイドルだから」つまずいた、という話は、ほとんど聞きません。

つまずきやすいのは、書類選考と面接。書類選考 → 面接 → 入社後。書類選考と面接はつまずきやすく、入社後に「元アイドルだから」という話はほとんど聞かない

知名度がないと、不利になりますか?

いいえ、不利にはなりません。企業から求人をいただくときに、「有名だった人が欲しい」と言われたことは一度もありません。面接で、動員が何人だったか、テレビに出たことがあるかを聞かれることも、ほとんどありません。

規模が小さい現場なら、集客からSNSの更新、物販の管理まで、自分でやってきた方が多いです。大きなグループにいたなら、チームの中での動き方や、水準の高い現場を経験しています。どちらの経験も、職務経歴書や面接で伝えられる職歴です。

インスタントカメラと、撮った写真が並ぶテーブル

私も卒業するときは、自分の仕事にどれくらいの価値があるのか、見当もつきませんでした。教えてくれる人も、比べる相手もいなかったからです。「無名だったから何もない」と思ってしまう気持ちは、よく分かります。でもそれは、力がなかったからではありません。自分の経験を仕事の言葉に置き換える方法を、まだ知らなかっただけでした。

採用する側は、実際にどこを見ていますか?

採用する側が主に見ているのは、どれくらい続けてきたか、人とどう関わってきたか、どういう思いでやってきたか、の3つです。面接対策をしていると、企業から聞かれる質問の多くが、この3つのどれかに当てはまります。

窓から光が入る、人のいない会議室

中でも面接でいちばん見られているのは、どういう思いでやってきたか、だと思います。なぜ始めたのか、何がつらかったのか、それでもなぜ続けたのかを、自分の言葉で話せるかどうかです。立派な答えである必要はありません。

話すために、新しい経験を足す必要はありません。これまでの経験を、仕事の言葉で言い直せば十分です。履歴書の書き方は、そのあとからでも間に合います。

以前、「自分は事務くらいしかできない」と思い込んでいた方がいました。面談の場で企業の採用担当者が言ったのは、「人と話せるのは、すごく武器なんですよ」という一言です。本人にとっては、そのとき初めて言われた言葉でした。その方はいま、医療機器メーカーの営業として活躍しています。

「お堅い業種は避けたほうがいい」「アイドル歴は隠したほうがいい」は、本当ですか?

いいえ、どちらも、私たちが支援の中で見てきたこととは違います。

青空の下に建つ、ガラス張りのオフィスビル

「避けたほうがいい」と言われることの多い医療機器メーカーや広告代理店にも、実際に進んだ方がいます。どんな会社にも合う合わないはありますが、それは元アイドルに限らず、誰にでもあることです。最初から業種を絞って、選択肢を狭める必要はありません。

アイドル歴を隠すと、その期間が職歴の空白に見えてしまいます。面接で理由を聞かれたときに説明できず、かえって不利になります。

活動を終えた人は、どんな仕事に就いていますか?

就職先は、さまざまです。お客さまと接してきた経験を生かして営業や受付、接客へ進んだ方もいれば、事務職から始めて、広報や人事、企画へ進んだ方もいます。

元アイドルが就いた仕事の例。IT企業の営業職、広告代理店の総務職、医療機器メーカーの営業職、小売企業の人事・採用、都心の企業の受付事務、ファッション業界の営業職

これまで支援してきた方も、全員が有名なグループにいたわけではありません。「社会人経験なんてない」と自信をなくしていた方は、いまIT企業で新規事業の立ち上げを任されています。収入も、活動していた頃とほとんど変わりません。「アイドルは正社員になれない」と思い込んでいた方は、広告代理店の総務として、土日休みの働き方で活躍しています。最初から「これがやりたい」と決めていた方は、ほとんどいません。

ひとりで就職活動を進めるのが不安なときは、どうすればいいですか?

まずは、あなたの経験を外から見てくれる相手を、一人見つけてください。

窓辺の机で、まっさらなノートに書き出していく女性の手元
活動でやってきたことを、ノートに書き出すところから始めます。

面談で経験を聞くと、最初は「何もしてこなかったんです」と返ってくることがよくあります。自分の経験は、自分ではなかなか見えにくいものです。

外から見てくれる相手は、友人や家族でも構いません。私たちのような支援サービスに相談する方法もあります。

よくある質問

地下アイドルだったことは、履歴書に書かないほうがいいですか?

いいえ、書くことをおすすめします。アイドルとして積み重ねてきた経験は、大切な職歴です。書かずにおくと、その期間が職歴の空白に見え、面接で理由を聞かれたときに説明しづらくなります。グループ名や活動名を書く義務はないので、「芸能活動(アイドル)に従事」と書いたうえで、担当していた業務を添えてください。

木の机に置かれたノートパソコンとノート、コーヒー

何年も一般企業で働いていませんが、正社員になれますか?

はい、なれます。相談に来られる方の多くは、一般企業での就職経験がない状態から始めています。企業側もそれを前提に見ているので、経験の有無より、「これから何をしてくれそうか」が伝わるかどうかで、選考の結果が変わります。

地下アイドルを辞めた後、大企業に入ることはできますか?

はい、入った方もいます。ただ、中途採用では、実務経験を見られることが多くあります。最初から大企業だけに絞ると時間がかかりやすいため、まず別の会社で実務経験を積んでから、大企業へ転職する方もいます。

机に置かれた電卓とノートとペン

就職に有利な資格を、先に取ったほうがいいですか?

いいえ、先に取る必要はありません。簿記や医療事務のように、働きながら学べる資格もあります。資格を取ること自体が目的になり、どの仕事に就くかが決まらないまま時間が過ぎてしまう例もよく見ます。資格は、どの仕事のために取るのかを決めてから取ってください。そのほうが遠回りになりません。

最後に

「地下アイドルだったから不利なのでは」と感じるのは、活動してきた数年のことを、まだ誰にも話せていないからかもしれません。名前が知られていなくても、規模が小さくても、その数年で積み重ねてきた経験は、仕事に生かせる力です。

ひとりで「私には何もない」と抱え込む必要はありません。まずは、その経験を言葉にするところから、一緒に始めていけたら嬉しいです。

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監修・執筆

この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

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