アイドルの契約書をもらえない・控えがないときに、できること

「契約書の控えを、一度ももらえていない」
「最初に聞いていない条件を、後から求められている」
事務所を責めたいわけではないけれど、契約のことがこのままでいいのか分からず、誰に聞けばいいのか迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、今日からできる記録の残し方と、無料で相談できる窓口を、順番に解説します。

契約書やその控えがもらえないのは、問題ですか?
すぐに違法だとは言い切れません。ただ、後から条件を確認しづらくなるので、そのままにはしないほうがいい状態です。
一般に、契約は書面がなくても成立するとされています。ただ、書面や控えがないと、何を約束したのかがお互いの記憶頼りになり、行き違いが起きやすくなります。

なお、タレントやアイドルの契約のあり方については、国(公正取引委員会)も適正化に向けた考え方を示しています。業界全体で議論されてきたことでもあり、同じことで悩んでいる人は、あなただけではありません。まずは、事実を確認できる形で残すところから始めてください。
何から始めればいいですか?
最初にすることは、今の状況を、時系列でメモに残すことです。
記憶は時間が経つほど曖昧になります。相談するときも、後から専門家に見てもらうときも、いつ・誰と・どんなやり取りがあったかが残っていると、話が早く進みます。特別な書式は要りません。スマホのメモや紙で十分です。

- 契約書・書面の有無:契約書をもらったか、控えは手元にあるか。ない場合は、いつ求めて、どう返答されたか。
- 言われた条件・約束:報酬、活動内容、期間、辞めるときの取り決めなど。口頭で言われたことも、日付とともに書き留めます。
- やり取りの記録:LINE・メール・DMのスクリーンショット。消えてしまう前に保存しておきます。
- 求められた内容:最初の話になかった指示や、負担が大きいと感じた依頼を、いつ・どういう形で言われたか。
- 心身の記録:体調を崩して通院した場合は、受診日や診断書。無理をした事実も、後から大切な記録になります。
このメモは、証拠を固めるためというより、自分の状況を落ち着いて説明できるようにするための準備です。
活動の契約や働き方の基本は、ツギステの解説ページでも紹介しています。

契約書も控えもありませんが、相談できますか?
はい、契約書が手元になくても相談できます。無料で相談できる窓口があります。
いきなり弁護士に依頼しようと考えると、費用や手続きのハードルが高く感じて、動けなくなってしまうことがあります。まずは、無料で話を聞いてくれる窓口から相談してください。
- フリーランス・トラブル110番:フリーランスや個人事業主として働く人の、契約や報酬などのトラブルを扱う相談窓口です。電話 0120-532-110(受付:平日9:30〜16:30・土日祝を除く)。弁護士に無料で相談でき、匿名でも相談できます(厚生労働省の委託事業・第二東京弁護士会)。
- 日本エンターテイナーライツ協会(ERA):アイドル・タレントの契約問題に取り組む団体です。ウェブサイト era-japan.org(常設の無料ホットラインはなく、サイトからの問い合わせを通じての相談になります)。
- 法テラス(日本司法支援センター):弁護士費用が心配なときの窓口です。収入などが一定の基準以下であれば、同じ問題について3回までの無料法律相談と、弁護士費用の立て替え(無利息で分割して返済)を利用できます。

相談するときは、上で整理したメモを手元に置いてください。話が早く進みます。
未成年の方で、親御さんと意見が合わないときや、心も体もつらいときは、子ども本人の側に立って話を聞いてくれる窓口に相談してください。たとえば、子どもの人権110番(法務省・0120-007-110)があります。どこに相談すればいいか分からないときは、このあと紹介するツギステの窓口からも、相談先をご案内します。
相談は、どんな順番で進めればいいですか?
①記録を残す、②無料の窓口に相談する、③必要なら弁護士などの専門家に依頼する、の順番で進めます。

①は、上の記録の一覧を、思い出せる範囲でメモにしておくことです。②は、フリーランス・トラブル110番などに電話して、状況を話します。「これはどういう扱いになるのか」「次に何をすればいいのか」を、専門家の視点で整理してもらえます。③は、窓口で話した結果、弁護士などの力が必要だと分かったときに進めます。費用が心配なら、法テラスもあわせて利用できます。

私自身、活動していた頃は、契約やお金の仕組みをよく分かっていませんでした。税金のことも本当に知らなくて、事務所で税理士さんの話を聞く機会ができて、そこで初めて確定申告を知ったくらいです。誰かが悪かったというより、こういうことを知る機会そのものが、少なかったんだと思います。だからいま困っている方に伝えたいのは、「分からないまま抱え込まなくていい」ということです。知らなかったことは、これから一つずつ確認していけます。
ツギステにも、契約のことを相談できますか?
はい。活動中のトラブルや契約のお悩みは、私が窓口を担当している「アイドルトラブル解決サポート」で、無料でお聞きしています。

お聞きしたうえで、状況を一緒に整理し、上で紹介したような窓口や、必要に応じて弁護士・精神科医などの専門家におつなぎします。法律の判断はできませんが、どこに相談すればいいのか分からないときの最初の相談先として、お気軽にご相談ください。
活動を続けるか、いったん離れるかを決めていなくても構いません。まずは、いま困っていることからお話しください。

最後に
契約まわりのことは、専門的で分かりにくく、「自分の理解が足りないのかもしれない」と感じてしまいがちです。でも、分からないのは、知る機会が少なかったからです。あなたの落ち度ではありません。
大切なのは、良い・悪いをひとりで結論づけることよりも、事実を記録に残し、無料で相談できる窓口に、早めに一度相談してみることです。まずは記録を一つ書き留めるところから、始めてみてください。
→ 活動中のトラブル・契約のお悩みを、まず話してみる(無料)
トラブルが起きたときに最初にすることは、無料のチェックシートでも整理できます。
就職やこれからのキャリアのご相談は、別の窓口(公式LINE)からお気軽にどうぞ。
監修・執筆

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株式会社ツギステ
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