アイドル経験は、就活で隠すべき? ― 履歴書から消す前に決めておくこと

「アイドルをやっていたこと、隠したほうがいいのかな」
「黙っていたら、SNSからバレるんじゃないか」
就職活動を始めると、アイドルとして過ごした時間をどう扱えばいいのか、迷ってしまう方も多いと思います。
でも、その時間は、隠さなければいけないものではありません。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、履歴書・職務経歴書にどう書けばいいのか、SNSはどうしておけばいいのかを、順番に解説します。

履歴書・職務経歴書に、アイドル経験は書いたほうがいいですか?
はい、書いてください。皆さまがアイドルとして積み重ねてきた経験は、大切な職歴であり、仕事に生かせるスキルです。書いておくと、就職活動では次の3つの点で役に立ちます。それぞれ詳しく説明します。
空白に見える期間の説明になる
活動していた期間を書かないと、その数年は、職歴欄では何もしていなかった期間のように見えてしまうかもしれません。期間と「芸能活動(アイドル)に従事」の1行があれば、その間に何をしていたかが、読む人に伝わります。

面接で話すことと、書類がずれない
面接では、書類を見ながら「この期間は何をしていましたか」と聞かれることがあります。書類に書いてあれば、そこに書いたことと同じ説明で答えられます。書類にないことを面接で初めて話すと、なぜ書類に書かなかったのかを聞かれることもあります。
自己PRや志望動機の裏づけになる
履歴書の志望動機や、職務経歴書の自己PRでは、続けてきたことや担っていた役割を書きます。職歴欄に活動期間があれば、いつ、どれくらい続けた経験なのかが伝わり、志望動機や自己PRに書いた内容の裏づけになります。

応募書類には、どう書けばいいですか?
活動していた期間と、何をしていたかを、事実のまま書きます。
履歴書の職歴欄なら、「20XX年X月〜20XX年X月 芸能活動(アイドル)に従事」のように、期間と事実を1行で書きます。グループ名や活動名は、書かなくてかまいません。グループ名がなくても、職務経歴書に担っていた役割や仕事の中身を書けば、何をしていたかは伝えられます。

職務経歴書の自己PR欄では、自分が担った役割を具体的に書きます。SNSの運用なら、誰に向けて何を発信し、反応を見てどう変えたか。物販なら、売上や在庫をどう管理していたか。そこまで書くと、仕事の中身が伝わります。
グループの大きさを気にして、「書けることがない」と思う方もいます。でも、規模にかかわらず、自分で工夫したことや任されていた役割は、自己PRの材料になります。
職歴欄の書き方は、例文つきでこちらにまとめています。
アイドル経験は履歴書に書ける?職歴の書き方ガイド
面接で聞かれたら、どこまで話せばいいですか?
聞かれた範囲で、書類と同じ説明をすれば十分です。先回りして、すべてを話す必要はありません。

「どこで、どれくらいの期間、何をしていたか」を、書類と同じ言葉で1〜2文にまとめておいてください。聞かれたときに、落ち着いて答えやすくなると思います。グループ名を言いたくない場合は、「所属先の名称は控えさせていただきますが、活動期間と担当していたことはお話しできます」のように答えることもできます。
話し方の例は、NG例と一緒にこちらに書いています。
就職の面接で、アイドル経験をどう話せばいい?
SNSは残すか消すか、どう決めればいいですか?
SNSは、残しても、非公開にしても、消してもかまいません。どれを選ぶかは、これからも見せたい投稿があるか、身の安全に関わる投稿があるかで決めてください。SNSをどうするかは、書類に書くかどうかとは別に決められます。「書類には書き、SNSは非公開にする」という組み合わせもできます。
残せば、名前で検索した人にも投稿が見えます。非公開にするか消せば、見えにくくなります。
これからも見せていたい投稿があるなら、残してかまいません。その場合は、応募先の方が名前で検索することもあるので、プロフィールや固定している投稿を、見られても困らない内容になっているか見直しておいてください。
非公開にしたり消したりする場合は、その前に、活動の実績が数字で分かる画面を、手元に保存しておいてください。フォロワー数の推移、投稿の分析画面、物販の売上や在庫の記録などです。公開をやめても、記録が手元にあれば、その実績を応募書類に書けます。
身の安全のために、非公開にしたり消したりしておきたい投稿もあります。住所や最寄り駅、よく行く場所、自宅の近くで撮った写真など、行動範囲が分かる投稿があれば、就活より先に非公開にするか消してください。記録の保存が間に合わないほど急ぐときは、保存より先に非公開にして大丈夫です。記録を保存しないまま非公開にしたり消したりしても、活動していた期間と担っていた役割は、応募書類に書けます。

つきまといなどで身の危険を感じ、差し迫っているときは、110番に連絡してください。緊急ではないけれど警察に相談したいときは、警察相談専用電話の#9110に相談できます。活動中のトラブルやSNSでの困りごとは、無料の相談窓口「アイドルトラブル解決サポート」にもご相談ください。記事の最後にリンクを載せています。
アイドル経験を伝えて、就職した例はありますか?
あります。ここでは、インタビューでお話を伺った方を1人紹介します。
モデルや舞台を含めて芸能活動を10年続け、アイドルとしては3年活動したあと、26歳で卒業を決めた方です。就職を考え始めたときは、ツギステ以外の就職支援サービスにも登録していました。ただ、「今まで何をしていましたか」と聞かれて芸能活動と答えると、紹介される仕事の幅は狭かったそうです。

ツギステのカウンセリングで営業や広報の仕事を知り、特典会でファンの方と1対1で向き合ってきた経験が営業に近いと感じて、営業職を選びました。ツギステと一緒に応募書類の添削から面接対策までを進め、医療機器を扱うスタートアップ企業の営業職に内定しました。
内定のあとは、SNSや現場で、ファンの方にも入社を伝えました。職場でも、最初から元アイドルであることを知ったうえで迎えてもらえたと話しています。入社して1か月の時点では、パソコンやメールの使い方を覚えながら、医療の専門用語を勉強しているところでした。職場の方からは「しっかりしてるね」と言われるようになったそうです。
アイドルの世界は「待っているだけではダメだ」という場所だった
ご本人は、自分で考えて動く習慣が、いまの仕事にそのまま生きていると話しています。
よくある質問
アイドル経験を書かなかったら、経歴を偽ったことになりますか?
偽りにあたるかどうかは、書類で何を尋ねられ、どう答えたかによって変わります。ただ、アイドル経験は職歴として書けるものなので、偽りかどうかで迷わず、書いてください。活動していた期間が書いてあれば、空白の説明にもなり、面接で聞かれたときも書類と同じ説明で答えられます。
地下アイドルの活動歴は、就活でバレますか?
活動歴が応募先に伝わる可能性はあります。きっかけとして考えられるのは、次の3つです。名前や写真から投稿が見つかること、誰かから伝わること、面接で空白期間を聞かれることです。前の2つは自分では決められませんが、空白期間を聞かれたときの答えは、自分で用意しておけます。ただ、アイドルとして活動していたこと自体は、知られて困る経歴ではありません。活動歴は書類に書き、SNSは見られて困る投稿がないかを別に確認してください。住所や行動範囲が分かる投稿は、非公開にするか消しておいてください。

ここでは、活動している方自身がこの言葉で調べることも多いため、「地下アイドル」という語をあえて使用しています。
自己PRに、アイドル活動のことを書いてもいいですか?
はい、ぜひ書いてください。活動を続けた期間、目標に向けてどんな準備を続けたか、うまくいかなかったときにどう動いたかを書きます。SNSの運用や物販の管理を担っていたなら、その役割と結果も添えてください。
面接で聞かれなかったら、自分から言わなくていいですか?
はい。書類に活動期間を書いていれば、聞かれなかったことまで自分から詳しく話す必要はありません。質問された範囲で、書類と同じ説明で簡潔に答えてください。

ひとりで決められないときの相談先
応募書類では、活動期間と事実は変えずに、応募する仕事に合わせて、詳しく書く経験を選びます。営業職なら特典会などで人と向き合ってきた経験、事務職なら売上や在庫を正確に扱った経験が材料になります。どの経験を選ぶか迷うときは、ツギステにご相談ください。
ツギステでは、カウンセリングから、強みの翻訳、書類作成、面接対策、就職後の伴走までをサポートします。費用は最初から最後まで無料です(企業側から紹介料をいただく仕組みのため)。これまでに100名以上の方から相談をいただき、連携企業のネットワークは200社以上になりました。面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。自分の経験が職務経歴書でどんな言葉になるのか、先に見てみたい方は、無料の変換ツールを使ってみてください。
就活の書き方・進め方の相談(無料)
活動中のトラブルや、SNSでの困りごと、身の安全に関わることは、こちらの無料窓口にご相談ください。
あわせて読む
地下アイドルの就職は不利? ― 採用する側が実際に見ているところ
監修・執筆

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_
株式会社ツギステ
アイドル・表現者経験者に特化した就職・転職支援サービスを運営しています(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539/設立 2023年1月)。相談から書類作成・面接対策・入社後のフォローまで、求職者の方は無料で利用できます。
公式サイト: https://tsugisute.com//会社情報: https://tsugisute.com/company/