元アイドルの自己分析は、何から始めればいい?

「『自己分析をしましょう』と言われても、何をどう書けばいいのか分からない」
「ノートを開いても、一行も書けずに閉じてしまう」
アイドルを卒業して就職を考えはじめると、これまでの経験をどう書き出せばいいのか分からず、迷ってしまう方も多いと思います。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、これまでの経験を書き出して、履歴書・職務経歴書や面接で使える言葉にするまでの手順を、順番に解説します。

自己分析は、何から始めればいいのでしょうか
まずは、これまでやってきたことを書き出すところから始めます。手順は、①書き出す ②読み解く ③並べる ④使う、の4つです。
多くの方が最初につまずくのは、いきなり「私の強みは何か」「やりたい仕事は何か」という答えを出そうとしてしまうところです。答えは、材料がそろっていないと出てきません。自己分析は、これまでやってきたことをいったん全部書き出して、その中から仕事に活かせる力を見つけていく作業です。
最初から「これは仕事に活きるかな」と考えながら書くと、手が止まります。仕事の言葉に置き換えるのは、そのあとのステップ2で大丈夫です。

どうして、自己分析が苦手に感じるのでしょうか
能力の問題ではなく、これまでいた環境が「自分を測る物差し」を持ちにくい場所だったからです。
アイドルの活動では、評価の多くが、お客さんや周りの反応で決まります。長くその中にいると、自分の「好き」や「得意」は、自分でもだんだん見えにくくなっていきます。真剣に打ち込んだ人ほど、そうなりやすいと感じています。
私自身、現役の頃をふり返ると「自分がどれくらいの価値で働けているのか、誰も教えてくれない」という感覚のなかにいました。あのとき私に足りなかったのは、外の世界でどんな仕事があるのかを知ることと、自分を測る物差しでした。
卒業や引退の直後に、何も決められず立ち止まる時期があるのは、めずらしいことではありません。外から見ると「止まっているだけ」に見えるその時間は、次に進むために自分を整理し直す期間でもあります。焦って、すぐに次の仕事を決めようとしなくて大丈夫です。

ステップ1:何を書き出せばいいのでしょうか
順位や肩書きといった実績より、そこに至るまでの「過程」を書き出します。どう取り組んでいたかのほうが、自己PRや面接で話す材料になるからです。
私たちもカウンセリングでは、「何位になったか」「何人動員したか」より先に、「いちばん苦しかった時期を、どうやって乗り越えましたか」と伺います。その答えに、次の仕事でも同じように発揮できる力が表れるからです。
次の6つの問いに、思い出した順に、箇条書きで書いてみてください。
- いちばん苦しかった時期を、どうやって乗り越えましたか
- 続けられた習慣や、自分で決めて始めたことは何ですか
- メンバーやスタッフから、よく頼まれていたことは何ですか
- お客さんに喜ばれた瞬間を、ひとつ思い出せますか
- 注意されたこと・うまくいかなかったことは何ですか
- 活動以外で、自分でやっていた作業は何ですか(SNSの更新、物販、衣装、写真の選定、スケジュール調整など)

書き出すときのコツは3つあります。
- 良い話だけを選ばないこと。うまくいかなかった話にも、そのときどう動いたかが残っています。
- 「みんなやっていたことだから」で消さないこと。
- 一度に完成させようとしないこと。思い出したときに足していけば十分です。
ステップ2:書き出したことを、どう強みの言葉にすればいいですか
書き出した出来事ごとに、そのとき実際に何をしていたのかを掘り下げてから、仕事で使われる言葉に置き換えます。「事実」「そのとき何をしていたか」「仕事の言葉」の3列に分けて書くと、進めやすくなります。
たとえば、「毎回いちばん早く会場に入って準備していた」という事実があったとします。これを「頑張り屋です」で終わらせると、面接では、何ができる人なのかが伝わりません。掘り下げると、「言われなくても、自分で基準を決めて動いていた」「すぐに結果が出なくても続けていた」となります。仕事の言葉にすると、「自律性」「継続力」「段取りを立てる力」です。

もうひとつの例は、「SNSを毎日更新して、反応を見ながら見せ方を変えていた」という事実です。掘り下げると、「反応の数字を見て、次の投稿の内容を変えていた」となります。仕事の言葉にすると、「発信力」と「数字を見て改善する力」です。
同じ経験でも、言い方を変えると、伝わり方が変わります。
Before
「アイドルを4年間やっていました。特別なスキルはありません。」
After
「4年間、週5本のステージとSNS運用・物販管理を並行し、動員数や売上の数字で評価される環境で活動を続けました。」
嘘や誇張を足す必要はありません。やってきたことを、企業の採用担当者に伝わる言葉に置き換えるだけです。自分ひとりで言葉にするのが難しければ、経験を職務経歴書の文章に変換する無料ツールから試してみてください。
ステップ3:やりたいことが見つからないときは、どうすればいいですか
「好きな仕事」から考えるのをいったんやめて、「働き方の条件」から並べてみてください。そのほうが、自分に合う仕事の方向が見えやすくなります。
やりたいことが分からない方は、たくさんいます。私たちが支援してきた方の84%は、これまでに一般企業で働いた経験がありませんでした(支援データの初期集計・n=100・サンプル限定)。知らない仕事を「やりたい」と思うのは、そもそも難しいのです。

そこで、次のような軸で、自分の希望に順番をつけてみます。
- 人と関わる量(一日中人と話していたいか、集中して作業したいか)
- 手順の決まりぐあい(型があるほうが安心か、自分で組み立てたいか)
- 成果の見え方(数字で成果が見えるほうがやる気が出るか、積み重ねを認められたいか)
- 生活のリズム(どんなスケジュールで働きたいか、休みは何曜日がよいか)
- 生活に必要な最低限の月収(ここは希望より先に、実際の金額で書きます)
ここまで並べると、やりたいことが決まっていなくても、自分に合う仕事の条件が見えてきます。
知らなかった仕事の中に、合う仕事が見つかることもあります。たとえば、会社でWebの運用の仕事をしたあとにアイドルとして約3年活動し、もう一度就職活動をした方が、小売企業の採用担当になった例があります。ツギステで紹介した仕事の中には、それまで考えていなかった仕事もあり、新しい発見になったそうです。
毎日違うっていう意味で、結構アイドルと似てる部分があるなって思います
ご本人は、いまの採用の仕事には1日の決まった流れがなく、毎日違うことをしていると話しています。
どんな仕事があるのかは、職種別の仕事図鑑で見られます。
ステップ4:整理したものは、どこで使うのでしょうか
履歴書・職務経歴書、自己PR、面接の受け答えに使います。
- 履歴書・職務経歴書:履歴書の職歴欄には、活動していた期間と「芸能活動(アイドル)に従事」を書きます。職務経歴書には、ステップ2で置き換えた仕事の言葉を、担当していた業務の説明として書きます。
- 自己PR:6つの問いのうち、いちばん具体的に書けたエピソードを1つ選びます。たくさん並べるより、1つを深く話せるほうが伝わります。
- 面接:「なぜその仕事なのか」を、ステップ3で並べた条件から説明します。「人と関わる時間が長い仕事のほうが力を出せると思ったからです」で十分に答えになります。
書き方の詳しい例は、次の記事にまとめています。
ひとりで書けないときは、どうしたらいいのでしょうか
ひとりで書けないときは、誰かと話しながら書き出してみてください。自分の経験は、自分では当たり前すぎて見えにくいものだからです。
私たちの支援データの初期集計を見ると、就職まで進めた方となかなか動き出せなかった方とで、能力(学力に相当する指標)に意味のある差は見られませんでした(初期データ・n=100・サンプル限定)。差が出ていたのは、能力の量ではなく、移行期の気持ちの状態でした。つまり、書けないのは能力が足りないからではありません。

ツギステでは、カウンセリングから、強みの翻訳、書類作成、面接対策、就職後のフォローまでをサポートします。費用は最初から最後まで無料です(企業側から紹介料をいただく仕組みのため。有料職業紹介 許可番号 13-ユ-315539)。これまでに相談者は100名以上、連携企業ネットワークは200社以上に広がり、面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。
書き出したものがあれば、カウンセリングで見せてください。何も書けていなくても、話しながら一緒に書き出していきます。
最後に
書き出して、仕事の言葉に置き換えて、働き方の条件を並べてみると、自分の中にすでにあった力が見えてきます。まずは、6つの問いのどれか1つから書き出してみてください。
→ 経験の棚卸しを一緒に進めますので、お気軽にご相談ください(無料)
活動中のトラブルや事務所との関係のお悩みは、別の無料窓口(アイドルトラブル解決サポート)にご相談ください。
監修・執筆

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_
株式会社ツギステ
アイドル・表現者経験者に特化した就職・転職支援サービスを運営しています(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539/設立 2023年1月)。相談から書類作成・面接対策・入社後のフォローまで、求職者の方は無料で利用できます。
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