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未練があるまま、アイドルを辞めてもいい?

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年) /
未練があるまま、アイドルを辞めてもいい?|ツギステ

「もう少しやれたんじゃないか」
「やりきれなかった気がして、次に進む気になれない」

卒業や引退を考えるとき、あるいは辞めたあとになってから、こうした気持ちが残って、迷ってしまう方も多いと思います。私自身もそうでした。まわりからは「区切りがついてよかったね」と言われても、自分の中では、まだ何かが終わっていないように感じていました。

この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、未練が残ったまま辞めてもいいのか、「やりきれなかった」という気持ちをどう整理すればいいのかを、順番に解説します。

机の上に開いた、まだ何も書かれていないノートと鉛筆

未練が残っているのに、辞めてしまっていいのでしょうか

はい、辞めてかまいません。あとになって大きく影響するのは、未練があるかどうかよりも、「自分で決めた」と思えるかどうかです。

相談を受けていると、「気持ちに整理がついてから辞めよう」と考えているうちに、何年も過ぎてしまったという方がいます。未練がすっかり消えてから辞められる方は、多くありません。区切りをつけるというのは、「ここまではやった」「その先は続けないと自分で決めた」と、自分の言葉で言えるようになることだと私は思っています。

未練がないふりをして、急いで決める必要もありません。大事なのは、辞めるかどうかを、まわりに任せずに自分で決めることです。

活動で使っていた衣装や荷物を、静かな部屋で段ボール箱にしまっていく手元
片づけながら、気持ちのほうは追いついていない。そういう時期があって当たり前です。

どうして「やりきれなかった」と感じてしまうのでしょうか

活動そのものに、「ここまでやれば終わり」という線が、もともと引かれていないからです。

学校には卒業式があり、会社の仕事にも、異動や定年といった区切りがあります。けれど表現の世界は、どこまで行けば達成なのかを、誰も決めてくれません。続けていれば、いつか届くかもしれないと思えるので、どのタイミングで離れても「まだやれたかもしれない」という気持ちが残りやすいのです。

そう感じるのは、頑張りが足りなかったからでも、まわりの誰かが悪かったからでもありません。ゴールの線が引かれていない場所を全力で走っていれば、誰でもそうなります。相談の場でも、長く同じグループで活動してきた方が「やりきった」と言い切ることは、あまりありません。

暗いステージの上に並ぶ照明

私自身、活動していたころは、自分で何かを決めるという経験があまりありませんでした。何かを発信するにも確認を通してからでしたし、こうしたいと思ったことが、そのまま形になることばかりではありませんでした。守ってもらっていた面も確かにあるので、それが悪かったとは思っていません。ただ、卒業を決めたときに「これでよかったのかな」とずっと考えてしまったのは、自分で決めるということに慣れていなかったからだと、いまは思います。

未練を抱えたまま次に進むと、どうなりますか

気持ちの整理がつかないまま、まわりに合わせて次を決めると、あとになって迷いが戻ってくることがあります。

相談を受けていても、この「やりきれなさ」を飛ばして就職活動だけを進めた方が、途中で「なんだか違う気がする」と手が止まってしまうことがあります。

この気持ちは、無理に忘れなくて大丈夫です。いちど言葉にして仕分けておくほうが、結局は早く次へ進めると考えています。

木のテーブルに置かれた白い紙と万年筆

「やりきれなかった」気持ちは、どう整理すればいいですか

次の3つに仕分けると、整理しやすくなります。①形を変えれば続けられること ②時間や環境の側の事情で、もう終わったこと ③そもそも自分の力の外にあったこと、の3つです。

やり方はかんたんです。紙でもスマホのメモでもいいので、「やりきれなかったこと」を思いつくまま書き出します。そのあと、一つずつ①②③のどれかに印をつけていきます。書きながら分けようとすると手が止まるので、先に全部出してから分けてください。

書き出したら、3つに印をつける。①形を変えれば続けられること→いまの生活で拾い直す。②時間や環境の事情で終わったこと→区切りとして受け取る。③自分の力の外にあったこと→手放してよい
  • ①形を変えれば続けられること:歌やダンスを続けたかった、発信を続けたかった、あの場所にもう一度行きたかった。どれも、活動を離れたあとも、やり方次第で続けられます。
  • ②時間や環境の側の事情で終わったこと:グループの活動が終わった、体調を崩した、生活が続けられなくなった。悔しさは残りますが、ご自身の落ち度ではありません。
  • ③自分の力の外にあったこと:世の中の流れ、タイミング、他の人の判断。ここは、手放して大丈夫です。

相談の場で一緒に書き出してみると、多くは②と③に入ります。

「自分が足りなかったから終わった」と思い込んでいたことの大半が、時間や環境の側の話だったと気づく方は、とても多いです。

①に残ったものは、いまの生活の中で少しずつ拾い直していけます。仕事にするかどうかは、そのあとで決めれば十分です。

続けるか離れるかでまだ迷っている方には、気持ちを書き出すところから使える無料のノートがあります。

やめどき整理ノート(無料ツール)

「自分で決めた」と思えるようになるには、どうすればいいですか

小さなことから、自分で決める練習をしていきます。自分で決める力は、筋トレと同じで、使うほど身につき、使わないと鈍っていきます。

活動している間は、投稿の内容から見せ方まで、確認を通してから動く場面が多くなります。それは守るための仕組みでもあるので、一概に悪いとは思いません。ただ結果として、「自分で決めて、その結果を引き受ける」という経験を積みにくい環境ではあります。そこから急に、これからの人生を左右する大きな決定を迫られるのですから、怖くて当たり前です。決められない自分を責める必要はありません。

同じ結論でも、決め方であとが変わる。まわりに合わせて決めると、きっかけはまわりが辞めたから、理由はなんとなくタイミングで、やりきれなさは手つかずのままで、あとで迷いが戻りやすい。自分で決めると、希望と現実を並べて比べ、自分の言葉で理由を言え、3つに仕分けて残すものを選んでいるので、迷っても決めた理由に戻れる

練習は、本当に小さなことからで大丈夫です。今週の予定を一つ、自分の希望だけで決めてみる、気が進まない誘いを一度だけ断ってみる、なんとなく続けているものを一つやめてみる、といった程度で十分です。小さく決めて、その結果を自分で受け取ることを何回か繰り返すと、大きな決定のときにも「自分で決めた」と思いやすくなると、私は考えています。

卒業したあと、何もやる気が出なくて動けなくなる方も多くいます。その時期の過ごし方は、こちらの記事で解説しています。

アイドルを卒業した直後に何もやる気が出ないのは、普通のことです(関連記事)

テーブルと椅子が並ぶ、誰もいない明るい会議室

未練が残っていることを、面接で話しても大丈夫ですか

大丈夫です。「なぜ辞めたのか」を自分の言葉で説明できれば、未練が残っていてもかまいません。

面接で企業の方が気にされやすいのは、「またすぐ戻ってしまうのではないか」「気持ちが決まっていないのではないか」という点です。そのため、未練を隠そうとするより、どう区切りをつけたのかを一緒に話すほうが、伝わりやすいと考えています。たとえば、次のように言い換えられます。

  • 「やりきれなかったので辞めました」 → 「◯年間続けて、自分としてはここまでやったと思えるところまで来ました。その先を続けるかどうかは自分で決めて、次は長く積み上げられる場所で働きたいと考えています」
  • 「本当は続けたかったんですけど」 → 「続ける道も考えたうえで、まず生活の土台をつくると決めました」
  • 「特に理由はなくて、タイミングで」 → 「グループの活動が終わったことをきっかけに、これからの働き方をあらためて考え直しました」

どれも、事実の並べ方を変えているだけです。面接での伝え方は、こちらの記事で解説しています。

就職の面接で、アイドル経験をどう話せばいい?(関連記事)

夕方の川沿いの土手を、ひとりで歩いていく女性の小さな後ろ姿

もし、また戻りたくなったらどうすればいいですか

戻りたくなったら、戻ってかまいません。就職しても、表現の道は閉じません。働きながら活動を続ける方もいます。

ツギステへのご相談も同じです。業務委託の仕事を探していた方が、希望に合う形が見つからずに、いったんご相談を終えたことがありました。その方は約1年後、生活が変わったことをきっかけに「今度は正社員で働きたい」と、もう一度ご連絡をくださいました。

一度相談して決まらなかった方も、またご相談ください。ブランクのあとに働き出すときのことは、こちらの記事で解説しています。

ブランクがある元アイドルでも、また働ける?(関連記事)

相談するとどうなるのでしょうか

カウンセリングから就職後のフォローまでを、無料でサポートします。辞めるかどうかが決まっていなくても、未練が残ったままでも、ご相談ください。

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費用は最初から最後まで無料です(企業側から紹介料をいただく仕組みのため。有料職業紹介 許可番号 13-ユ-315539)。これまでに100名以上の方から相談をいただき、連携企業のネットワークは200社以上になりました。面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。

「辞めるかどうか」の答えを、こちらから出すことはありません。決めるのは、いつでもご本人です。実際にどんな道へ進んだ方がいるのかは、先輩たちのインタビューが参考になります。

支援した方々のインタビュー

辞めどきそのもので迷っている方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。

アイドルの辞めどきは、どう決めればいい?(関連記事)

山あいの町へ向かって続く、ゆるやかなカーブの道

最後に

未練があるまま辞めるのは、失敗ではありません。ゴールの線が引かれていない場所を走ってきたのですから、どこで降りても、何かは残ります。大事なのは、その残ったものを持ったまま「自分で決めた」と言えるところまで、気持ちを整理しておくことだと思っています。

ひとりで仕分けるのが難しければ、書き出したものを持ってきていただいても、何も準備せずに来ていただいても大丈夫です。一緒に整理していけたら嬉しいです。

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監修・執筆

この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

株式会社ツギステ
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