内定が出たら、入社までに何をすればいい? ― アイドルから会社員になる方へ

内定が出てから入社までは、うれしさと同時に、やることが急に増える時期です。会社から届く書類、事務所との契約、個人で受けていた仕事の手続き。会社員として働くのがはじめての方にとっては、何から手をつければいいのか分かりにくいと思います。
この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、入社前にやっておくこと、個人事業主だった方の手続き、働きはじめの3か月のことを、順番に解説します。

入社まで
- 内定が出たら:働く条件が書かれた書類を確認する
- 案内が届いたら:提出書類をそろえる(提出期限を確認)
- 入社日まで:事務所との契約・出演の予定・SNSを整理する
- 入社日まで:最初のお給料日を確認する
入社してから
- 入社日:決まっている予定を会社に伝える
- 会社の保険に入って14日以内:国民健康保険をやめる(国民健康保険に入っていた方)
- 事業をやめて1か月以内:廃業届を出す(個人事業主だった方)
- 翌年2〜3月:確定申告が要るか確認する(給与以外の所得がある方)
内定が出たら、まず何をすればいいですか?
会社から届いた、働く条件が書かれた書類を確認してください。入社日・勤務地・勤務時間・給与・休日・試用期間などが書かれています。会社には、働く条件を書面などで示すことが法律で決められています(労働基準法第15条)。
面接で聞いていた話と違うところや、分からない言葉は、入社前に会社に確認してください。
入社前に、会社に出す書類は何ですか?
マイナンバーや基礎年金番号が分かるもの、お給料の振込先の口座などです。何を、いつまでに出すかは会社によって違います。
内定が出た方にお渡ししている案内に、私があとから書き足したことがあります。提出の期限です。入社前に郵送などで手続きが必要な会社もあるので、入社日に持っていけばいいとは限りません。案内が届いたら提出期限を確認して、期限までにそろえてください。

事務所との契約や芸能の仕事は、入社前にどう整理すればいいですか?
事務所との契約、残っている出演の予定、SNSのアカウント。この三つをそれぞれどうするか、入社日より前に決めてください。
- 事務所との契約:契約の期間や、辞めるときの条件を契約書で確認してください。契約書が手元にないときや、辞めさせてもらえないときは、無料の相談窓口に相談できます。
- 残っている出演の予定:入社後の勤務と重なるものがないか、入社日より前に確認してください。重なる予定は、会社に伝えてください。
- SNSのアカウント:活動していたころのアカウントを残すか、閉じるかを、入社前に決めてください。
芸能の仕事を副業として続けたい方は、就業規則で副業が認められているか、届け出が必要かを、入社前に会社に確認してください。
事務所を辞めさせてもらえないとき、知っておきたいこと ― 無料の相談窓口(関連記事)
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芸能の仕事の整理ができたら、次は保険と税金の手続きです。
個人事業主だった場合、入社したら何の手続きが要りますか?
国民健康保険をやめる手続きと、廃業届、翌年の確定申告の確認です。健康保険・厚生年金・雇用保険への加入は、会社が手続きをします。
事務所と業務委託で契約していた方や、個人で仕事を受けていた方は、会社員になると保険と税金の手続きが変わります。ご自身でやるものは、次の三つです。
- 国民健康保険の脱退。会社の健康保険に入ってから14日以内に、お住まいの市区町村で手続きをします。会社の保険に加入しても、国民健康保険は自動ではやめられません。家族の健康保険の扶養に入っていた方は、国民健康保険をやめる手続きはありません。扶養から外れる手続きは、ご家族の勤務先などに確認してください。
- 廃業届。個人の事業をやめる場合は、やめてから1か月以内に、税務署へ廃業届を出します。青色申告をしていた方は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も出します。
- 確定申告の確認。会社で年末調整を受ける方は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると、翌年の確定申告の時期(2月中旬〜3月15日ごろ)に確定申告が必要です。入社前に個人で受けていた仕事は、売上から経費を引いた額が所得です。申告には、会社から受け取る源泉徴収票も使います。20万円以下でも、住民税の申告が必要になる場合があります。
会社がするのは、健康保険・厚生年金・雇用保険の加入手続きです。住民税は、時期によってはお給料からの天引きに切り替えられます。市区町村から住民税の納付書が届いている方は、会社に渡して、切り替えができるか確認してください。届け出の書き方や、確定申告・住民税の申告が要るかどうかは、税務署や市区町村の窓口で確認してください。
保険や税金がどう変わるのかは、別の記事で比べています。
業務委託と正社員は何が違う? ― アイドル契約から会社員になる人へ(関連記事)
最初のお給料は、いつ、いくら入りますか?
月末締め・翌月25日払いの会社なら、4月1日に入社すると、最初のお給料は5月25日です。締め日と支払日の関係で、最初のお給料は入社から1〜2か月先になることがあります。
手取りは、額面の8割ほどです。月給25万円の例では、健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料(約3.7万円)と所得税が引かれて、手取りは約20.9万円になります。健康保険と厚生年金の保険料は、会社と本人で半分ずつ負担します。住民税は前の年の所得をもとに決まるため、この例には入れていません。

活動していたころと違って、毎月決まった日にお給料が入るようになります。ただ、入社した月は、定期券や仕事用の服などの出費が重なりやすい時期です。最初のお給料が入るまでの生活費を、手元に残しておいてください。
職場で、アイドルだったことは話したほうがいいですか?
無理に話さなくて大丈夫です。聞かれたら「芸能のお仕事をしていました」だけでも十分です。
自分から話す人もいれば、親しくなってから少しずつ話す人もいます。どこまで話すかは、ご自身で決めてかまいません。
SNSには、会社が公表していない情報や、職場の人が特定できる内容を書かないでください。会社名や仕事のことを投稿してよいかは、先に会社に確認してください。活動していたころのアカウントの扱いは、こちらの記事でくわしく書いています。
アイドル経験は、就活で隠すべき? ― 履歴書から消す前に決めておくこと(関連記事)

働きはじめの3か月は、どんなところで戸惑いやすいですか?
働きはじめの数か月は、新しい環境や仕事に慣れるまでの時期です。多くの人が、同じようなところで戸惑います。
- 「みんなが何を話しているのか、分からない」:仕事の言葉も、会社特有の言い方も、最初は分からないものです。「それはどういう意味ですか」と、遠慮せずに聞いて大丈夫です。
- 「覚えることが多すぎて、できる気がしない」:全部を一度に覚えようとすると、追いつかなくなります。教わったことは一つずつメモに残して、あとで見返してください。
- 「ミスをして、落ち込んでしまった」:入ったばかりの人のミスは、会社の方も想定しています。ミスに気づいたら、隠さずに、すぐ上司や先輩に伝えてください。
- 「生活リズムが変わって、疲れやすい」:毎日決まった時間に働く生活に変わると、最初の数週間は、体が慣れるまで疲れやすくなります。

生活リズムのことは、内定が出た方に私が必ずお伝えしていることです。活動していたころは、夜にライブや配信があって、昼に休む生活だった方も多いと思います。慣れるまでは仕事のあとに予定を入れず、しっかり休んだり、分からなかったことをふり返ったりする時間にあててください。入社前から、起きる時間を少しずつ出社の時間に合わせてください。初日が楽になります。
入社して1か月の面談で、覚えることもやることも多くて大変そうだった方がいました。それでも、職場の方とすっかり打ち解けていて、表情は明るいままでした。最初の1か月を支えてくれるのは、仕事を覚える速さより、困ったときに聞ける人がいることのように思います。

「この仕事は向いていないかも」と思ったら、どうすればいいですか?
続けるかどうかを、最初の数か月で決める必要はありません。慣れないうちは、そう思う日もあります。ひとりで悩まず、職場の上司や先輩、ツギステのアドバイザーに相談してください。
面談でよく聞くのが、「迷惑をかけたくない」という言葉です。就職したあと、そう思ってひとりで抱え込んでしまう方は少なくありません。困りごとは、小さいうちのほうが相談しやすいものです。
よくある質問
内定が出たのに不安になるのは、おかしいですか?
おかしくありません。内定のあとに気持ちが落ち込むことは「内定ブルー」とも呼ばれます。不安に感じていることを入社前に一つずつ書き出してみると、いま準備できることが見えてきます。
有給休暇は、いつから使えますか?
法律では、入社から6か月たち、決められた出勤日の8割以上働いていると、10日分が付与されます。入社日から付与する会社など、時期や日数は会社によって違うので、入社時に確認してください。
入社してすぐに予定がある場合は、どうすればいいですか?
決まっている予定(通院・旅行・ライブなど)は、入社時に会社の方に伝えてください。有給休暇が付与される前のお休みは、会社の方と相談して決めてください。
芸能の仕事を、副業で続けることはできますか?
就業規則によります。副業が認められているか、届け出が必要かは、会社ごとに違います。副業の所得がある年は、金額によって確定申告や住民税の申告が必要になります。
ツギステを通じてサポートを受けている方へ
ツギステの支援で内定が出た方には、次のサポートをしています。
- 入社前のサポート:働く条件が書かれた書類の確認、事務所との契約の整理、職場での話し方など、入社前に気になることをアドバイザーと一緒に整理します。会社への確認は、私たちが行います。
- 入社後の面談(3回):2週間後・1か月後・3か月後に、アドバイザーが働きはじめの様子をお聞きします。ツギステの紹介で入社した会社について、聞いていた話と違うことや困りごとがあれば、遠慮せずに連絡してください。
参考にした公的な情報
- 労働条件の明示:厚生労働省「確かめよう労働条件」(労働基準法第15条)
- 国民健康保険の脱退:厚生労働省
- 厚生年金への加入:日本年金機構
- 廃業届:国税庁/青色申告の取りやめ:国税庁
- 給与所得者の確定申告:国税庁 タックスアンサー No.1900
- 住民税の給与からの天引き:東京都主税局
- 年次有給休暇:厚生労働省「確かめよう労働条件」
2026年10月時点の制度にもとづく一般的な案内です。金額・条件は、勤務先の制度や個別の事情で変わります。
相談できる場所
入社前の手続きや、働きはじめてからの困りごとも、ツギステの公式LINEでご相談ください。求職者ご本人の就職支援は、入社が決まったときに企業から紹介料をいただく仕組みなので、費用はかかりません。ツギステは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-315539)です。
就職・入社後の相談(無料)
事務所との契約や、活動中のトラブルは、別の無料窓口にご相談ください。
監修

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_
株式会社ツギステ
若年層のセカンドキャリア支援を行っています。創業領域として、アイドル経験者の就職・転職を支援しています(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539/設立 2023年1月)。相談から書類作成・面接対策・入社後のフォローまで、求職者ご本人の就職支援には費用がかかりません。
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