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アイドルを引退したら、人生は終わってしまう?

監修:桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル9年) /
アイドルを引退したら、人生は終わってしまう?|ツギステ

「引退したら、人生が終わる気がする」
「ステージを降りた自分は、いったい何者なんだろう」

卒業や引退が近づくと、この先の自分が見えなくなって、迷ってしまう方も多いと思います。私自身もそうでした。でも、ステージを降りたあとにも、道は続いています。

この記事では、元アイドルで、現在はアイドルのキャリア支援をさせていただいている私が、なぜ引退が「人生の終わり」のように感じられるのか、ステージを降りた先にどんな道があるのかを、順番に解説します。

客席を背に、ステージに立てられたマイク

引退したら、本当に人生は終わってしまうのでしょうか

いいえ。終わるのは「アイドルという役割」であって、人生ではありません。いま感じているさみしさは、それだけ真剣に打ち込んできたからこそのものです。

「自分=アイドル」「自分=表現者」という思いが強い人ほど、長く全力を注いできた人ほど、その役割を手放すときのさみしさは深くなります。

人が大きな役割から次の役割へ移るときには、「終わり」「どっちつかずの中間」「新しい始まり」という三つの段階を通る、という考え方があります[1]。引退した直後は、この真ん中の「どっちつかず」にいる時期です。何者でもないように感じるのは、いま道の途中にいるからです。

役割が移るときの3つの段階。終わり、どっちつかずの中間、新しい始まり。引退した直後は、真ん中のどっちつかずの時期にいる

なぜ「自分が何者か分からない」と感じてしまうのでしょうか

活動している間は、毎日が「アイドルの自分」を中心に回っていたからです。

名前も、見られ方も、一日の過ごし方も、その中心に合わせて組み立てられています。その中心がなくなると、よりどころが一度に見えなくなります。「何者か分からない」と感じてしまうのは、当然のことです。

私自身、卒業した翌日のことをよく覚えています。前の日は夜中の12時まで物販やお客さんの対応をしていて、翌日は疲れが全部出て、何も考えられませんでした。最初は「やりきった、自由だ」と思っていたのに、少しずつ「うわ、これから何をしよう。どうしよう」に変わっていったのです。

当時をふり返って思うのは、私に足りなかったのは能力ではなく「知ること」だったということです。アイドル以外の道を、私は知りませんでした。自分にそれができるとも思えていませんでした。だから、前に進もうと思えなかっただけでした。不安だったのは、その先の選択肢をまだ知らなかったからだと、今は思います。

何もやる気が出ない今は、立ち止まっていて大丈夫でしょうか

大丈夫です。動けない時期は、次へ進むために必要な時間です。

やわらかい光が入る部屋で、ソファに座ってマグカップを手に窓の外を眺めている女性の後ろ姿

引退した直後は、先ほどの三つの段階でいう真ん中の「どっちつかず」の時期にあたります。古い役割はもう終わったのに、新しい役割にはまだ移れていない時期です。外から見ると止まっているように見えても、実際には自分の中を整理し直している時間です。

この時期に「早く次を決めなきゃ」と焦って、とりあえずの選択をすると、あとで迷いが戻ってくる方もいます。今すぐ答えを出さなくて大丈夫です。「まだ何も決まっていない」というところから、少しずつで構いません。何も決めていない段階でも、ご相談ください。

ステージを降りた先には、どんな道があるのでしょうか

道は一本ではありません。大きく分けると次のような選択肢があり、いくつかを組み合わせる方も多くいます。

観葉植物が置かれた、明るいオフィスの執務スペース
  • 指導者・講師・解説の道:慣れた世界に居られる安心感がある一方、ポストは空きにくく、教える立場に回れるかが問われます
  • 学び直し・資格の道:実務に直結する学びは、働きながらでも進められます。ただし、資格を取ること自体が目的にならないよう、取ったあとにどう使うかを先に考えておいてください
  • 起業・フリーランスの道:やり抜く力や発信力が活きます。お金や契約の基本を知らないまま始めてつまずく人も多いので、そこを整えてから始めてください
  • 一般企業へ就職する道:いちばん縁遠く見えますが、給料を受け取りながら社会の基本を学べる道です。生活の足場が整うと、「本当はどうしたいか」を落ち着いて考えられます
  • これらの組み合わせ:就職しながら学び直す、働きながら発信を続ける、といった形です。一本道で完結しないのが、むしろ普通です

実際に、ステージを降りたあとに次の仕事へ進んだ先輩たちがいます。

  • 「社会人経験がないから」と自信をなくしていた方が、その経験を評価する会社と出会い、収入も活動時代とほとんど変わらないまま新しい仕事に就きました。
  • パソコンの電源の入れ方から始めた方が、就職活動の知識がない状態から、およそ1か月で内定をいただきました。
  • 就職・アイドル・再就職と回り道をした方が、「毎日違うところがアイドルと似ている」と、人事の仕事で活躍していきました。

先輩たちの中には、地下アイドルとして活動を終えた方もいます。いま先輩たちは、事務・受付・営業・人事・広報など、さまざまな仕事で活躍しています。活動の中で身についた力は、次の職場でも生かされています。

ここでは、活動している方自身がこの言葉で調べることも多いため、「地下アイドル」という語をあえて使用しています。

どんな道があるのかをまず知りたい方は、職種別の仕事図鑑ものぞいてみてください。

職種別の仕事図鑑を見る(ツギステ)

引退のタイミングそのものに迷っている方には、続けるか離れるかを整理する無料のノートがあります。

続けるか迷ったときの「やめどき整理ノート」(ツギステ)

この先のことを、一人で決められないときは?

ツギステのアドバイザーと一緒に、これまでの活動を振り返るところから始めます。自分に何が向いているかは、人と話すと見えてきやすくなります。

ツギステのサポートの流れ:カウンセリング→強みの翻訳→書類作成→面接対策→就職後も伴走(相談から就職後まで、ずっと無料)

カウンセリングから、強みの翻訳、書類作成、面接対策、就職後のフォローまでをサポートします。費用は最初から最後まで無料です(企業側から紹介料をいただく仕組みのため/有料職業紹介 許可番号 13-ユ-315539)。これまでに100名以上の方から相談をいただき、連携企業のネットワークは200社以上になりました。面接に進んだ方の内定率は80%を超えています。「まだ何も決まっていない」「引退するかも決めきれていない」という段階でも大丈夫です。

自分の経験がどんな仕事の言葉になるのかは、次の記事も参考になります。

元アイドルには、本当に何もスキルがない?

就職の面接で、アイドル経験をどう話せばいい?

実際にどんな道へ進んだのかは、先輩たちのインタビューが参考になります。

先輩たちの就職インタビューを読む(ツギステ)

小さなステージに並ぶ、誰もいないマイクスタンドと椅子

よくある質問

地下アイドルを辞めた後、みんな何をしていますか?

いちばん多いのは一般企業への就職です。事務・受付・接客・営業を中心に、広報・人事・企画へ進んだ方もいます。指導者・講師の道や学び直し、起業を選ぶ方もいて、組み合わせる方も珍しくありません。実例はアイドルを卒業したあと、みんなどんな仕事に就いている?にまとめています。

アイドルを卒業した後、お金まわりはどう変わりますか?

金額よりも「入り方」が変わります。毎月決まった額が入るようになり、税金や社会保険が給与から引かれる形になります。詳しくはアイドルを辞めたら、お金はどう変わる?で解説しています。

雲海の向こうから昇る朝日

卒業してから何もやる気が出ません。おかしいのでしょうか?

おかしくありません。長く走り続けたあとに力が抜けるのは、自然な反応です。アイドルを卒業した直後に何もやる気が出ないのは、普通のことですで、その時期の過ごし方を解説しています。

最後に

本当に終わろうとしているのは、アイドルという一つの役割だけです。積み重ねてきた時間は、次の場所につながる力になります。いまはまだ何も見えない、中間の時期かもしれません。でも、その先には道が続いています。ひとりで抱え込まず、まずはその先を一緒に考えるところから始められたら嬉しいです。

[1] William Bridges, Transitions: Making Sense of Life’s Changes, 1980(邦訳『トランジション』)。人生の転機を三つの段階で説明した本です。

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監修・執筆

この記事の監修者 桜のどか(株式会社ツギステ取締役/元アイドル(9年)/キャリアコンサルタント(国家資格))

note: https://note.com/sakuranodoka X: https://x.com/sakura_nodoka_

株式会社ツギステ
アイドル・表現者経験者に特化した就職・転職支援サービスを運営しています(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-315539/設立 2023年1月)。相談から書類作成・面接対策・入社後のフォローまで、求職者の方は無料で利用できます。
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